子犬のしつけスケジュール|いつから何を始めるべき?-アイリス動物医療センター|札幌市白石区の動物病院

子犬のしつけスケジュール|いつから何を始めるべき?

子犬のしつけスケジュール|いつから何を始めるべき?

新しい家族として子犬を迎える喜びは、何にも代えがたいものですよね。

 

愛らしい仕草や無邪気な遊びに癒される毎日の中で、「どのように育てていけばよいのだろう」と、不安を感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。

 

しつけは、愛犬と飼い主様が楽しく、そして安心して暮らすための大切な基盤です。正しいしつけを行うことで、犬自身も「何をすればいいのか」がわかり、自信を持って日々を過ごせるようになります。

 

しつけは、愛情を持ちながら、焦らず一歩ずつ進めることがポイントです。

 

今回は、子犬のしつけの始め方や基本的な方法について、わかりやすく解説します。

 

■目次
1.子犬のしつけを始めるベストなタイミング
2.しつけのポイントと方法
3.よくある問題行動とその対処法
4.しつけ道具の選び方と使い方
5.愛犬の心を育てる社会化トレーニングとは?
6.まとめ

 

 

子犬のしつけを始めるベストなタイミング


しつけを始めるタイミングは、生後2〜3ヶ月頃から少しずつ始めるのが理想的です。

この時期は子犬が新しい環境に慣れ、学ぶ意欲が高まる大切な時期です。家庭に慣れたら、無理のない範囲で簡単なしつけからスタートしてみましょう。

 

<社会化期の重要性>

生後3週間〜4ヶ月ごろは「社会化期」と呼ばれ、子犬が周囲の世界に適応するための重要な時期です。この期間に他の犬や人、さまざまな環境に触れる経験を積むことで、将来の性格や行動が安定しやすくなります。

 

例えば、散歩中に他の犬や人と触れ合うことで、吠え癖や恐怖心を防ぐことができます。

また、さまざまな音や場所に慣れさせることで、不安やストレスを減らすことにもつながります。社会化期を活用して、愛犬が安心して生活できる基礎を築きましょう。

 

<焦らず段階的に進める>

しつけは一日で完成するものではありません。成功体験を重ねながら、少しずつ学んでいくことが大切です。失敗しても叱らず、「今日はできなくても明日はできるかもしれない」という気持ちで気長に取り組んでください。

 

子犬にとっても、学ぶペースは個々に異なります。飼い主様が焦らず見守りながら、一緒に成長する喜びを感じてみてください。

 

 

しつけのポイントと方法


<トイレトレーニングのポイント>

トイレトレーニングは、子犬を迎えたら最初に取り組むべき大切なしつけの一つです。

 

タイミングを見極める

子犬は、起きた直後、食後、遊んだ後に排泄しやすい傾向があります。このタイミングを見計らって、トイレに連れて行きましょう。

 

決まった場所を用意する

トイレシートやトイレトレーを使い、排泄場所を固定します。成功したらすぐに「いい子だね!」と褒めてあげましょう。

 

失敗しても怒らない

トイレを間違えた場合は、怒らず静かに片付け、再び挑戦しましょう。繰り返し練習する中で、正しい場所を覚えていきます。

 

<基本的な命令の教え方>

生活の中で必要な基本的な命令を、少しずつ楽しく教えていきます。

 

お座りの教え方

① おやつを手に持ち、子犬の鼻先に近づけます。

② おやつを少し上に動かしながら「お座り」と優しく声をかけます。

③ 子犬が自然と腰を下ろしたら、「いい子だね!」と褒めてご褒美を与えます。

 

待ての教え方

① 子犬が「お座り」をした状態で、手のひらを見せながら「待て」と声をかけます。

② 初めは少しだけ離れ、短い時間待てるように練習します。慣れてきたら、徐々に離れる距離や待つ時間を伸ばしていきます。

③ 子犬が待てたら、「よし」と解除の合図を出し、「いい子だね!」と褒めてご褒美を与えます。

 

来い(呼び戻し)の教え方

① 子犬の名前を呼びながら、「おいで」と優しく声をかけます。

② 子犬が来たら、明るい声で大げさに褒め、ご褒美を与えます。

 

呼び戻しができるようになると、散歩中やドッグランなどでの安全管理にも役立ちます。繰り返し練習して、楽しく覚えさせましょう。

 

<褒め方やご褒美の与え方>

タイミングが大切

褒めるときは、子犬が正しい行動を取った直後に「いい子だね!」と声をかけましょう。このタイミングを逃すと、子犬が何を褒められたのか理解できません。

行動と褒められることを結びつけるため、瞬時に褒めることがポイントです。

 

ご褒美はメリハリをつけて

ご褒美として与えるおやつは、少量で十分です。最初は成功するたびに与えますが、慣れてきたら徐々に頻度を減らしていきます。

ご褒美の回数を調整することで、子犬が常に集中してトレーニングに取り組めるようになります。

 

声のトーンを使い分ける

褒めるときは、明るく楽しそうな声で伝えましょう。一方で、間違った行動をしたときには、静かなトーンで「ダメ」と伝えます。

この違いを明確にすることで、子犬は飼い主様の意図を理解しやすくなります。

 

 

よくある問題行動とその対処法


<甘噛み>

原因

甘噛みは、子犬が歯の生え変わり時期に歯ぐきのムズムズを解消しようとする自然な行動です。また、遊びの一環として噛む場合もあります。

 

対処法

・噛んで良いものを与える

デンタルおもちゃや噛む用のおやつを用意し、噛む欲求を満たしてあげましょう。

 

・噛んだら遊びを中断する

子犬に噛まれたときは、大声を出さずに「痛い!」と低い声ではっきりと伝え、その後遊びを一時中断します。「噛むと楽しい時間が終わる」と学ばせることが大切です。

 

・手や足をおもちゃにしない

手や足を遊び相手にしてしまうと、噛む習慣がつく恐れがあります。代わりにおもちゃを活用し、手や足は噛む対象ではないことを教えましょう。

 

<無駄吠え>

原因

無駄吠えの原因は、ストレスや不安、要求行動、警戒心などさまざまです。

 

対処法

・吠える理由を見極める

ストレスが原因の場合は十分な運動や遊びの時間を確保します。不安が原因であれば、愛犬が安心できる環境を整えましょう。

 

・無視する

要求吠えの場合は、吠えても望みが叶わないことを理解させるため、無視を徹底します。ただし、静かになったタイミングで「いい子だね!」と褒めてあげることが大切です。

 

・環境音に慣れさせる

外の音に反応して吠える場合は、窓を閉めたり静かなBGMを流したりして環境音に慣れさせましょう。

 

<引っ張り散歩>

原因

リードを引っ張る行動は、興奮や「飼い主様より先に進みたい」という欲求が原因です。

 

対処法

・引っ張ったら止まる

子犬がリードを引っ張るたびに立ち止まり、「引っ張ると進めない」というルールを教えます。

 

・リードを緩ませる

リードが緩んだタイミングで「いい子だね!」と褒めておやつを与え、正しい歩き方を強化します。

 

・練習場所を工夫する

最初は刺激の少ない場所で練習し、慣れてきたら徐々に散歩コースを変えて難易度を上げます。

 

<叱り方の注意点>

・感情的に叱らない

大きな声を出したり、体罰を加えたりすることは絶対に避けましょう。これでは子犬に恐怖心を抱かせてしまい、飼い主様との信頼関係を損ねる可能性があります。

 

・叱るタイミングを重視

問題行動をした直後に静かに注意することが効果的です。叱るタイミングが遅れると、犬は何が悪かったのか理解できず、叱られる理由がわからなくなってしまいます。間が空いてしまった場合は叱らない方がよいでしょう。

 

・正しい行動を積極的に褒める

叱るよりも、正しい行動をしたときにしっかり褒めることを意識しましょう。「こうすればいいんだ!」と子犬自身が理解しやすくなり、良い行動を自然と身に付けることができます。

 

 

しつけ道具の選び方と使い方


<基本的な道具の選び方>

・リード

散歩やトレーニングに適したリードを選びましょう。ナイロン製や皮製のリードが一般的で、最初は短めのリードがコントロールしやすくおすすめです。

 

・首輪

サイズ調整が可能で、犬の首にぴったりフィットするものを選びます。首輪と首の間に指が2本入る程度の余裕が理想的です。

 

・ハーネス

首に負担をかけたくない場合や引っ張り癖がある場合にはハーネスがおすすめです。胸部や背中でリードを固定するタイプが、犬に優しく使いやすいでしょう。

 

<トレーニング用具の使い方>

・おやつ

ご褒美として使うおやつは、少量で満足感のあるものを選びましょう。トレーニング中にスムーズに与えられるよう、小さくカットして準備しておくと便利です。

 

・クリッカー

クリック音を正しい行動と関連付けることで、犬に学習させる道具です。正しい行動をした瞬間にクリックし、その後におやつを与える流れで使用します。タイミングが重要なため、練習を重ねて使いこなしましょう。

 

・トイレトレーニング用品

トイレシートや専用のトイレトレーは、子犬のサイズや動きに合わせたものを選びましょう。吸収力が高いものや、滑りにくいトレーが便利です。

 

<避けた方がよい道具や使い方>

愛犬の心と体に負担をかけないため、次のような道具や使い方には注意しましょう。

 

・チェーンカラー(チョークチェーン)

しつけには向いていません。誤った使い方をすると、犬に痛みやストレスを与える可能性があるため避けましょう。

 

・電気ショック首輪

問題行動を抑える目的で使われることがありますが、痛みや恐怖心を与え、犬の心に大きな負担をかけてしまいます。使用はおすすめできません。

 

・長すぎるリード

道路近くや人混みで長いリードを使用すると、飼い主様のコントロールが効きにくくなり危険です。状況に応じて適切な長さを選びましょう。

 

 

愛犬の心を育てる社会化トレーニングとは?


子犬の成長において、「社会化」は非常に重要なステップです。

この時期に適切な社会化トレーニングを行うことで、成犬になったときにストレスを感じにくく、人や他の犬、さまざまな環境に対して自信を持って行動できるようになります。

 

<人や他の犬との触れ合い方>

子犬が他の犬や人と交流し、「正しい関わり方」を学ぶことは社会化の基本です。

 

・他の犬との触れ合い

最初は同じくらいの大きさで、性格の穏やかな犬と遊ばせるのがおすすめです。公園やドッグランよりも、落ち着いた安全な場所で少しずつ触れ合わせましょう。

遊びを通じて、他の犬との距離感や遊びのルールを学びます。

 

・人との触れ合い

子犬がさまざまなタイプの人と接することで、人への恐怖心を取り除くことができます。家族以外の人とも遊んだり撫でられたりする経験を積ませることで、人懐っこく社会性の高い犬に成長します。

 

注意点

怖がりの子犬に無理やり触れることや、大きな声を出すことは避けましょう。ポジティブな体験として学ばせることが大切です。

 

<さまざまな環境に慣れさせる方法>

子犬が将来の生活で遭遇する環境や物事に慣れさせることで、環境の変化に対するストレスを軽減できます。

 

・日常の音や状況に慣らす

掃除機の音、ドアの開閉音、車の音などの日常的な音を少しずつ聞かせましょう。最初は音量を控えめにし、慣れてきたら徐々に通常の音量に近づけます。

 

・さまざまな場所へ連れて行く

公園や駅前、ショッピングモールなど、人や車が多い場所で散歩させることで、視覚や嗅覚を通じて新しい経験を積ませます。ただし、ワクチン接種が完了していない時期は地面に降ろさず、抱っこでの移動を心がけてください。

ワクチン接種前の外出については、かかりつけの獣医師にご相談ください

 

ワクチン接種についてはこちら

 

・季節の変化を経験させる

雨の日や風が強い日、雪の日など、さまざまな天候を体験させることで、環境の変化にも柔軟に適応できるようになります。

 

<パピークラスなど、専門家によるトレーニングの活用>

社会化をスムーズに進めるために、専門家のサポートを受けることも効果的です。

 

パピークラスとは?

パピークラスでは、子犬同士や人との触れ合いを学びながら、基本的なしつけや社会化トレーニングを行います。プロの指導のもとで子犬に適したトレーニングを受けられるため、飼い主様も安心して取り組めます。

 

パピークラスのメリット

・他の子犬と安全に遊べる環境が整っている。

・飼い主様がしつけのコツや正しい方法を学べる。

・問題行動が起きた際に、専門家のアドバイスを受けられる。

 

選び方のポイント

パピークラスを選ぶ際は、清潔で安全な環境が整っていること、少人数制で丁寧に指導してもらえるかを確認しましょう。

 

 

まとめ


子犬の社会化トレーニングは、愛犬が将来スムーズで快適な生活を送るための大切な基盤です。人や他の犬との触れ合いを通じて、さまざまな環境や状況に慣れることで、ストレスを感じにくく、自信を持った性格に育てることができます。

 

また、パピークラスを活用すれば、専門家のアドバイスを受けながら安心してトレーニングを進めることができます。

 

焦らず、楽しみながら少しずつ社会化トレーニングとしつけを進めていきましょう。

 

 

北海道札幌市の「アイリス動物医療センター」

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