予防診療
予防診療は動物たちの健康を守るだけではなく、
取り巻く環境においては
人の健康を守る上でも重要な分野です。
当院で受けられる健康診断や各種予防の
重要性などをご紹介します。
health check
健康診断
人の4~5倍のスピードで歳を重ねるペットのために
小型犬・猫の例です。1歳を迎えた段階で18歳、そこからは4倍の速度で年齢を重ねていきます。
健康診断を受ける目安
年齢 | 健康診断の回数 | 検査項目 |
---|---|---|
~5歳 | 年1回 | 血液検査・歯周病検査 |
~10歳 | 年2回 | 血液検査・腹部超音波検査・歯周病検査 |
11歳~ | 年2回 | 血液検査・腹部超音波検査・歯周病検査・その他基礎疾患に応じて必要な検査 |
types of health check
当院の健康診断
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血液検査
体の状態を全体的に把握する検査。血液検査で判断できることも多いですが、画像診断と合わせて実施するとより効果的です。
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腹部超音波検査
腹部臓器の状態や腫瘍の存在を明らかにするための検査。健康診断で偶発的に狩猟が見つかることも少なくない。
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心臓超音波検査
心臓の動きや大きさ、各房室の圧力や収縮力の数値を計測し全身循環の状態を把握する検査。
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胸部レントゲン検査
心臓の外側から見た状態や肺、気管などの状態を知ることができる検査。
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腹部レントゲン検査
各臓器の位置の詳細が把握できる検査。
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歯周病検査
口腔内の歯周病菌の活性を知るための検査で、現状の口腔内の状態を把握することができる。
混合ワクチン接種
mixed vaccination
混合ワクチンで予防できる感染症は、
いずれも死亡率や感染率が高い病気です。
混合ワクチンは大きく分けて2種類に大別されます。コアワクチンと呼ばれる「パルボウイルス」「ジステンパーウイルス」「アデノウイルス」の予防が可能なものと、それにレプトスピラ症の抗原型がいくつか組み合わされたものです。
コアワクチンで予防できる疾患はまだまだ日本ではコントロールできておらず、1年に1度の追加接種、もしくは抗体価検査が必要となります。
レプトスピラに関しては北海道では感染報告事例が多くなく、例えばキャンプやアウトドアに行く方、つまり野生動物と接触する可能性がある場合は接種をお勧めいたします。
犬の混合ワクチン
感染症 | 5種混合 | 6種混合 | 9種混合 |
---|---|---|---|
パルボウィルス | 〇 | 〇 | 〇 |
ジステンパーウィルス | 〇 | 〇 | 〇 |
ジステンパーウィルス | 〇 | 〇 | 〇 |
アデノウィルス2型 | 〇 | 〇 | 〇 |
パラインフルエンザ ウィルス |
〇 | 〇 | 〇 |
コロナウィルス | - | 〇 | 〇 |
レプトスピラ(3種) | - | - | 〇 |
猫の混合ワクチン
感染症 | 3種混合 |
---|---|
猫伝染性鼻気管炎 | 〇 |
猫カリシウイルス感染症 | 〇 |
猫汎白血球減少症 | 〇 |
フィラリア予防
heartworm prevention
フィラリア予防に関してはワンちゃんの飼い主様にとっては聞き馴染みのある予防科目ではないかと思います。
蚊は産卵期を前にすると吸血行動を行うようになり、その蚊がフィラリア(犬糸上虫)に感染している場合に吸血行動に伴って幼虫を体内に移行させます。移行した幼虫は犬の筋肉内で成長し、成虫になると肺動脈へ寄生。その結果循環が悪くなり様々な症状が発現いたします。
では猫ちゃんの飼い主様はフィラリア予防の必要性を「聞いたことがない」とおっしゃられる方がおられます。猫ちゃんの場合は感染すると食欲不振や慢性の発咳、最悪の場合突然死につながる非常に恐ろしい病気です。予防はワンちゃんの場合は飲み薬、猫ちゃんの場合は皮膚に点着するスポットタイプと剤型も多岐にわたるため、お薬が苦手でも大丈夫なことが多いです。
マダニ・ノミ予防
prevention of ticks and fleas
札幌にお住まいの方でノミはご覧になったことはありますか?実はいるんです。
もちろん一般のご家庭の猫ちゃんではあまり見かけませんがお外によく出る猫ちゃんは要注意です。ノミと同じくマダニもお外に出る場合は要注意です。マダニは草むらだけではなく、街路樹の花壇などにも潜んでおり感染する可能性は大いにあります。マダニは「ダニ媒介性脳炎」「SFTS」など、人間にも動物にも感染する恐ろしい感染症を伝播する可能性を孕んでいます。ですので少しでもお外に出る場合は、しっかりダニ予防をして人も動物も恐ろしい感染症から身を守りましょう。
エキノコックス予防
echinococcus prevention
"北海道+キツネ=エキノコックス"
そのようなイメージを持つ人は多いと思います。エキノコックスはキツネ→犬は感染しないことが知られております。それはキツネも犬もエキノコックスにとっての終宿主となるためです。しかしながらエキノコックスに感染した犬科の動物は糞便中にエキノコックスの虫卵を排泄します。それにより土壌や糞便から中間宿主である哺乳類が虫卵を摂取することで感染し、長い潜伏期間を経て肝臓に寄生します。
感染動物を捕食することにより、また終宿主の犬科の動物に感染するライフサイクルが成立しているのです。ですのでアウトドアや野生動物に接触する機会の多いライフスタイルの場合は愛犬の予防、と言うよりも人間の予防として予防を行うことを厚生労働省からも推奨されています。最近では当院のある白石区でもキツネの目撃情報が多発しておりますので、気になる方は予防の必要性の有無も含めて当院にご相談ください。
狂犬病予防
rabies prevention
狂犬病予防接種は「狂犬病予防法」により
接種が義務付けられています。
狂犬病の予防接種は狂犬病予防法に基づき接種しなければならない予防です。
狂犬病は清浄国と言われている狂犬病の発生がない国が世界で7ヵ国しかなく、日本はそのうちの1つです。狂犬病は哺乳類の死亡率が100%と言われる恐ろしい病気です。現代ではボーダーレスと言われるように国際化社会であり、いつどのような形で日本に持ち込まれるかが未知数です。ですので、万が一に備え必ず狂犬病の予防接種を受けましょう。※基礎疾患があり、狂犬病予防接種を獣医師が受けさせないと判断をした場合は猶予の処理をおこないます。
避妊去勢
contaceptive castration
避妊手術・去勢手術は健康な子にメスを入れる行為です。この手術に抵抗感を持つ方も少なくないのではないでしょうか。ですが、不妊去勢手術は「子供を作らない」以外にも多くのメリットがあります。
1. 特定の病気を予防できる
女の子であれば、「子宮蓄膿症」「乳腺腫瘍」が予防でき、男の子では「前立腺肥大」「肛門周囲腺腫」「会陰ヘルニア」の予防が可能です。
2. 寿命が伸びる
ある研究結果から、不妊手術を実施した場合としていない場合で明らかに寿命が延長するという回顧的研究の結果が認められました。
なのでやりましょう!と軽々しく申すわけではございませんがこれだけ見るとメリットは多いです。しかしながら手術を実施する上で欠かせないのが全身麻酔。麻酔はどのような場合でも100%安全です!とは申し上げることはできません。低確率ではあってもそのリスクはございます。当院では不妊手術のメリット、麻酔のデメリットなど多面的にお話をさせていただきます。もし手術に関しておなやみの場合はご相談ください。
マイクロチップ
microchip
マイクロチップは現在飼い主様の義務範囲は「努力義務」です。ですので厳密にはまだ義務にはなっていませんが、義務化以外にもマイクロチップはメリットが多いものと思われます。
特に迷子になってしまった場合は保護されてから飼い主様の元に帰れる確率が高くなります。静岡で飼育されていた猫が名古屋で保護された。というニュースも記憶に新しいのではないでしょうか。
さらには災害時に止む無く離れ離れになってしまった場合にもマイクロチップは効果を発揮します。
マイクロチップは「装着しなければよかった」と思うものではなく有事の際に「装着しておいてよかった」と思えるものです。ご興味がございましたらぜひお問い合わせください。