札幌の動物病院で行う歯科治療|抜歯が必要な症状と術後ケアのポイント

愛犬や愛猫の健康を守る上で、「歯の健康」は意外と見落とされがちなポイントですが、歯や口腔内のトラブルが全身の健康に大きな影響を及ぼすことをご存じでしょうか?
例えば、歯周病をそのままにしておくと、細菌が血流に乗って体内を巡り、心臓や腎臓といった重要な臓器に負担をかけるリスクがあります。
だからこそ、愛犬や愛猫の口腔ケアは、健康寿命を延ばし、毎日をより快適に過ごすために欠かせない習慣です。
今回は、どのような場合に歯科治療が必要になるのか、また札幌の動物病院での歯科治療の流れについて詳しくご説明します。
■目次
1.歯科治療が必要なケース
2.口腔内のトラブルを放置するリスク
3.当院の歯科医療の特徴
4.抜歯の診断と治療の流れ
5.術後のケアと注意点
6.抜歯後の予防ケアの重要性
7.まとめ
歯科治療が必要なケース
口腔内のトラブルは、放置すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に抜歯が必要な状態では、早めの治療がとても大切です。
以下では、歯科治療が必要となる主なケースや症状について詳しくご説明します。
<主な歯科疾患>
・歯周病
歯垢や歯石が原因で歯茎が炎症を起こし、悪化すると歯を支える骨が溶けてしまう病気です。
・破折(歯の破損)
硬い物を噛んだり、事故が原因で歯が折れたりすることがあります。放置すると感染を引き起こし、さらに症状が悪化する恐れがあります。
<抜歯が必要となる症状や状態>
以下のような症状が見られた場合は、歯の治療や抜歯が必要になる可能性があります。気になる兆候があれば、早めに動物病院に相談しましょう。
・歯が揺れている、または完全に抜けかかっている
・歯茎が赤く腫れている、または膿が出ている
・強い口臭がする
・食事中に痛がる素振りを見せる、または片側だけで噛んでいる
口腔内のトラブルを放置するリスク
歯や口腔内のトラブルを放置してしまうと、思わぬ健康リスクを招く可能性があります。
■全身の健康への悪影響
歯周病が進行すると、単に歯が抜け落ちるだけでは終わりません。炎症が慢性化することで、細菌が血液に入り込み、心臓病や腎臓病といった深刻な疾患のリスクが高まることが分かっています。
■生活の質(QOL)の低下
痛みを伴う口腔内の問題は、食事が思うように取れなくなり、食事量の減少や体重減少を引き起こします。このような状態が続くと、愛犬や愛猫の活力が失われ、生活の質(QOL)が大きく低下してしまいます。
当院の歯科医療の特徴
札幌にある当院では、愛犬や愛猫の歯科治療に特化した設備と知識を備えており、歯科治療が必要な場合でも、安心してお任せいただける環境を整えています。
以下に、当院の特徴をご紹介いたします。
<専門的な歯科設備>
当院は、動物専用の先進的な歯科治療設備を完備しています。
・歯科用レントゲン
肉眼では確認できない歯根や歯周組織の状態を詳しく把握するために使用します。
・超音波スケーラー
歯石を効率的に除去し、歯周病の予防や治療に役立ちます。
・歯科用ドリル
抜歯が必要な場合や歯の形を整える際に使用します。このドリルを使用することで、処置を迅速かつ安全に進めることができます。
<専門獣医師によるケア>
当院では、動物の歯科治療を専門的に学んだ獣医師が診察と治療を担当します。
軽度な歯科処置から高度な口腔外科手術(腫瘍の切除や顎骨の再建手術)まで幅広く対応できるため、どのような症状でも安心してご相談いただけます。
<治療後のケアサポート>
治療が終わった後も、愛犬や愛猫の健康をしっかりと守るため、当院では飼い主様へのサポートを大切にしています。ケア方法に不安がある場合や初めての方でも、分かりやすく丁寧にアドバイスいたします。
■歯磨き指導
歯磨きをこれから始めたい方や、やり方が分からない方にも安心していただけるように、愛犬や愛猫が無理なく受け入れられる歯磨き指導を行っています。
■デンタルケア製品の選び方
市販されているデンタルケア製品はたくさんありますが、どれを選べばよいのか迷ってしまうことも多いですよね。当院では、愛犬や愛猫の年齢や健康状態、生活スタイルに合わせた適切な製品を一緒に選ぶお手伝いをします。
■経過観察
治療後の健康を維持するためには、定期的なチェックが欠かせません。当院では、歯や歯茎の状態を定期的に確認し、異常があれば早期に対応します。
抜歯の診断と治療の流れ
<術前検査>
抜歯を安全に行うためには、全身の健康状態や歯の状況を事前に確認することが欠かせません。以下の検査を実施し、手術計画を立てます。
・歯科用レントゲン検査
目に見えない歯根や歯周組織の状態を詳しく確認します。感染や損傷を特定し、治療方針を決定するために重要な検査です。
・血液検査
麻酔の安全性を確認します。特に高齢の愛犬や愛猫では、肝臓や腎臓の機能を調べ、麻酔リスクを最小限に抑えます。
・口腔内検査
歯石の付着や歯肉の炎症など、口腔内全体の状態を確認します。
<麻酔>
抜歯手術では、愛犬や愛猫が痛みやストレスを感じないよう全身麻酔を使用します。
・全身麻酔の種類
吸入麻酔や静脈麻酔を併用し、個々の状態に合わせた最適な方法を選択します。
・安全管理
手術中は心拍数、血圧、酸素飽和度などをモニタリング機器で常時確認します。術前検査の結果をもとに、リスクを最小限に抑える対応を徹底します。
<抜歯手術の流れ>
手術は以下の手順で進められます。
1.準備
麻酔をかけた後、口腔内を清潔に保つために消毒を行います。
2.抜歯処置
専用の歯科用器具を使い、慎重に歯を取り除きます。必要に応じて歯を分割し、歯根を分けて除去することもあります。
3.縫合と止血
抜歯後、必要に応じて縫合を行い、止血が確実にできているかを確認します。
4.麻酔からの覚醒
麻酔が完全に覚めたことを確認した後、愛犬や愛猫を入院室に移動します。
所要時間は抜歯の難易度や本数によりますが、平均で1〜2時間程度です。
術後のケアと注意点
抜歯後の愛犬や愛猫が快適に回復できるよう、適切なケアが大切です。以下では、術後の痛みの管理や食事、通院スケジュールについて詳しくご説明します。
<術後の痛みの管理>
抜歯後の痛みを軽減し、愛犬や愛猫が快適に過ごせるよう、次の方法でサポートします。
・鎮痛薬の投与
術後に鎮痛剤を処方します。適切に痛みを管理することで、回復期間を快適に過ごせるようにします。
・柔らかい食事
抜歯後しばらくは柔らかいフードを与えてください。歯茎に負担をかけないように配慮することが大切です。
・抗生物質の投与
感染予防のために抗生物質を処方することがあります。指示されたスケジュールを守って投薬しましょう。
<回復期間と通院スケジュール>
・回復期間
一般的には1~2週間で回復しますが、個体差があります。愛犬や愛猫の様子をよく観察し、何か気になることがあれば早めにご相談ください。
・通院スケジュール
手術後1週間以内に診察を行い、治り具合を確認します。必要に応じて抜糸や追加のケアを行います。
抜歯後の予防ケアの重要性
抜歯後の健康を保つためには、歯周病の再発を防ぐ予防ケアが欠かせません。日々の歯磨き習慣をつけたり、デンタルガムや専用フードを活用したりして、口腔内を清潔に保ちましょう。定期的な歯科検診も健康維持に役立ちます。
まとめ
愛犬や愛猫の抜歯は、健康を守るために欠かせない大切な処置です。
術後は、痛みを軽減するケアや食事の調整を行いながら、しっかりと回復をサポートしましょう。また、日々の予防ケアを続けることで、再び抜歯が必要になるリスクを減らすことができます。
定期的な歯科検診は、歯のトラブルを早期に発見し、全身の健康を守るために欠かせません。抜歯について迷っている方や、歯のケアに関するお悩みがあれば、どうぞ当院にお気軽にご相談ください。歯磨きのやり方やデンタルケア製品の選び方など、日常ケアについても丁寧にアドバイスさせていただきます。
大切な愛犬や愛猫の健康を守るために、今できることから一緒に始めていきましょう。
北海道札幌市の「アイリス動物医療センター」