犬の口臭・歯石・歯肉炎をチェック|自宅でできる歯の健康チェック - アイリス動物医療センター|札幌市白石区の動物病院

犬の口臭・歯石・歯肉炎をチェック|自宅でできる歯の健康セルフチェックガイド

犬の口臭・歯石・歯肉炎をチェック|自宅でできる歯の健康セルフチェックガイド

「最近、愛犬の口がちょっとにおう気がする」そんなふうに感じたことはありませんか?

 

犬の口腔内トラブルは、実はとても身近な問題です。

ただし、犬は痛みや違和感を言葉で伝えることができないため、飼い主様が気づいたときにはすでに症状が進行していることも少なくありません。

 

さらに、口の中の問題は口腔内だけにとどまらず、心臓や腎臓など全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

だからこそ、日頃からの観察と早めの対応がとても大切です。

 

今回は、ご自宅で行える簡単なセルフチェック方法を通して、愛犬の口腔内の健康を守るために押さえておきたいポイントをご紹介します。

 

■目次
1.健康な犬の口腔内とは?
2.口臭が気になるときに見るべきチェックリスト
3.歯石がついていないかセルフチェック
4.歯ぐきの赤みや腫れは歯肉炎のサイン
5.その他の口腔トラブルにも注意
6.自宅でできる犬の口腔ケアと予防習慣
7.まとめ

 

 

健康な犬の口腔内とは?


健康な犬の口の中は、見た目にも清潔で、嫌なにおいがしないのが特徴です。

日頃からチェックしておくことで、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。

 

健康な状態の目安

:白くツヤがあり、表面にざらつきや茶色い変色が見られない

歯ぐき(歯肉):薄いピンク色で、腫れや出血、ただれがない

口臭:基本的には無臭。あってもごくわずかな犬特有のにおい程度

舌・口の中の粘膜:しっとりしており、赤みや潰瘍、ただれがない

 

これらの状態が保たれていれば、口腔内の健康はまず良好といえるでしょう。

 

 

口臭が気になるときに見るべきチェックリスト


口臭は、歯周病や内臓の異常など、健康状態の変化を知らせるサインであることがあります。

愛犬の口元が気になるときは、以下のポイントをチェックしてみましょう。

 

✅ 口を近づけたときに、ツンとする不快なにおい(腐敗臭)がする

✅ 甘酸っぱいような、いつもと違うにおいがする

✅ よだれの量が多く、やや粘ついているように見える

✅ 食べ物には興味があるのに、食べづらそうにしている

✅ 顔を床やクッションなどにこすりつける動作が増えてきた

 

これらの症状が見られる場合、口の中で細菌が増えていたり、歯周病が進行していたりする可能性があります。

また、胃腸や腎臓など、内臓のトラブルが隠れていることもあります。

 

 

歯石がついていないかセルフチェック


歯石は、歯垢(プラーク)が硬く固まってできたものです。

放っておくと歯周病の原因となり、歯ぐきの炎症や歯のぐらつき、抜け落ちにもつながるおそれがあります。

 

✅ 歯の根元に黄褐色や灰色のかたまりがついている

✅ 歯と歯の間に茶色い汚れが残っている

✅ 前歯よりも奥歯のほうに歯石がついている

✅ 歯ブラシや指で触るとザラザラした感触がある

✅ 歯が抜けている、またはグラグラしている

 

歯石は自然に取れるものではありません

見つけた場合は、動物病院でのスケーリング(専用の器具を使った歯石除去)が必要になります。

 

 

歯ぐきの赤みや腫れは歯肉炎のサイン


歯肉炎とは、歯ぐきに炎症が起きることで、痛みや出血などの症状を引き起こす疾患です。

進行すると歯周病につながることもあるため、早めの発見が大切です。

 

✅ 歯ぐきが赤く腫れている

✅ 歯と歯ぐきの境目が黒ずんで見える

✅ 食事中に口から血がにじむことがある

✅ 歯ぐきを触られるのを嫌がる、怒る

✅ 以前よりも口を使ったおもちゃ遊びをしなくなった

 

初期の歯肉炎であれば、適切なケアで改善が期待できます。

 

 

その他の口腔トラブルにも注意


次のような変化が見られる場合、口腔内の深刻なトラブルや全身の疾患が関係している可能性があります。

見逃さないよう、日常的に観察してみましょう。

 

✅ 歯が折れている、または一部が欠けている

✅ 舌に赤いできものや白っぽい膜が見える

✅ ごはんを食べるのに時間がかかる、片側の歯でしか噛んでいない

✅ 口をしきりに舐める、あるいは口元を気にする仕草が増えた

✅ 急に食欲が落ちた、柔らかいものばかり選んで食べるようになった

 

これらの症状がある場合、口の中に痛みや炎症があるほか、全身の健康に関わる病気が隠れていることもあります。

 

また、犬の歯周病菌は、歯肉から血管を通じて体内に入り込み、心臓・腎臓・肝臓などに炎症を引き起こすことがあるとされています。

これは「菌血症」と呼ばれ、人間の医療でも重視されている問題です。

 

 

自宅でできる犬の口腔ケアと予防習慣


定期的な歯科ケアは、口の中の健康を保つだけでなく、愛犬の健康寿命を延ばすためにも欠かせない大切なケアです。

目に見えるトラブルがなくても、半年〜1年に一度は動物病院で歯科検診を受けることをおすすめします。

 

また、日常の習慣として、以下のようなケアを取り入れてみましょう。

 

毎日の歯みがき

犬専用の歯ブラシと歯みがき粉を使って、少しずつ慣らしていきます。

 

歯にやさしいおやつやフードの活用

口腔ケアをサポートする機能性フードやおやつも、日常的に取り入れる工夫のひとつです。

 

デンタルガムや歯みがき用おもちゃの併用

遊びながら自然に口腔内を清潔に保てるグッズも活用してみましょう。

 

口の中を触られることに慣れさせる

子犬の頃から少しずつ口に触る練習をしておくと、将来的なケアがスムーズになります。

 

最初は歯みがきが苦手な犬も多いですが、無理なくできることから始め、少しずつ慣らしていくことが大切です。

 

 

まとめ


口臭・歯石・歯肉炎などのトラブルは、においや見た目、日常の行動のちょっとした変化から気づけることが多くあります。

だからこそ、毎日のスキンシップの中で口まわりをチェックする習慣をつけることが大切です。

 

そして、もし少しでも「いつもと違うかも」と感じたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

 

 

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