【保存版】健康診断で愛犬・愛猫を守ろう|検査内容と定期健診のタイミング-アイリス動物医療センター|札幌市白石区の動物病院

【保存版】健康診断で愛犬・愛猫を守ろう!|検査内容と定期健診のタイミング

【保存版】健康診断で愛犬・愛猫を守ろう!|検査内容と定期健診のタイミング

愛犬や愛猫が元気で長生きしてほしいという願いは、すべての飼い主様に共通する思いです。

しかし、犬や猫は「体調が悪い」と言葉で伝えられず、不調を本能的に隠してしまう習性があります。そのため、一見元気に見えても、病気が進行していることに気づけない場合もあります。

 

このような理由から、人間と同じように定期的な健康診断を受けることが非常に重要です。

 

今回は、健康診断の重要性や具体的な検査内容について詳しく解説します。

 

■目次
1.なぜ健康診断が必要なの?
2.犬猫の健康診断で行われる基本的な検査内容
3.健康診断を受けるべきタイミング
4.年齢別に推奨される検査項目
5.健康診断の結果の見方
6.要経過観察となった場合の対応方法
7.健康診断後に見直すべき生活習慣と予防のポイント
8.まとめ

 

 

なぜ健康診断が必要なの?


犬や猫は人間に比べて成長や老化のスピードが非常に速いとされています。一般的に、犬や猫の1年は人間の4~7年分に相当すると言われているため、病気の進行も人間より速い傾向があります。

 

例えば、人間であれば数年かけて発症する病気が、犬や猫の場合は数ヶ月で症状が現れることもあります。

 

このように速いスピードで体が変化するため、定期的な健康診断を受けて早期に体調の変化を把握し、適切な対応をすることが重要です。

 

<早期発見がもたらす治療の選択肢>

病気を早い段階で発見することで治療の選択肢が増え、愛犬や愛猫への負担を軽減できる可能性があります。

 

例えば、猫に多く見られる腎臓病の場合、健康診断で早期に腎機能の低下を発見できれば、治療や食事管理を通じて病気の進行を遅らせることができます。

 

一方で、症状が現れてから診察を受ける場合には、すでに病気が進行していることが多く、治療が難しくなるケースも少なくありません。

 

<病気の予防と医療費の負担軽減>

健康診断を受けることで病気を早期に発見し、適切なケアを行うことで病気の進行を防ぐことができます。これにより、結果的に高額な医療費を回避できる場合があります。

 

例えば、歯周病は初期段階で適切なケアを行えば比較的少ない治療費で済みますが、進行して歯を抜く必要がある場合には、費用が大幅に増えることがあります。

早期の診断と対策は、愛犬や愛猫の健康を守るだけでなく、飼い主様の経済的負担の軽減にもつながります。

 

 

犬猫の健康診断で行われる基本的な検査内容


健康診断では、愛犬や愛猫の全身をしっかりとチェックするために、さまざまな検査が行われます。

 

<基本的な身体検査>

・体重測定

体重の増減は健康状態を示す重要な指標です。肥満は心臓病関節疾患のリスクを高め、一方で急激な体重減少は内分泌疾患内臓疾患のサインである可能性があります。

 

・視診

目や耳、皮膚の状態を観察します。目が濁っている場合は白内障角膜の異常が、耳に汚れや臭いがある場合は外耳炎などの病気が疑われます。

 

・触診

リンパ節の腫れ、腹部のしこり、筋肉の緊張状態などを確認します。触診によって腫瘍内臓の異常が発見されることもあります。

 

<血液検査>

血液検査は健康診断の中心となる検査で、体内の状態を総合的に把握するために重要です。

 

・赤血球や白血球の数値

赤血球が少ない場合は貧血、白血球が多い場合は感染症炎症が疑われます。

 

・肝臓や腎臓の機能

ALTやBUN、クレアチニンなどの数値を調べることで、内臓の健康状態を確認します。これにより、腎臓病肝臓病の早期発見が可能です。

 

・血糖値

糖尿病のリスクを調べます。特に高齢の犬や猫では重要な検査項目です。

 

<レントゲン検査>

レントゲンは、内臓や骨の状態を詳しく確認するために行います。

 

・心臓や肺の異常

心臓の肥大や肺の異常陰影は、心臓病肺炎などの病気のサインです。

 

・骨や関節の状態

骨折関節炎腫瘍などを確認します。特に老齢の犬や猫において重要な検査です。

 

<超音波検査>

超音波検査は、レントゲンでは確認できない軟部組織の状態を詳しく調べるために行います。

 

・肝臓や腎臓、膀胱の状態

腫瘍結石炎症の有無を確認します。

 

・心臓の動き

心臓病の診断や進行度の確認に役立ちます。

 

<その他の検査>

必要に応じて以下の検査が行われる場合もあります。

 

尿検査腎臓や膀胱の健康状態を確認します。

糞便検査寄生虫の有無や腸内の健康状態を調べます。

 

 

健康診断を受けるべきタイミング


<定期健診の推奨頻度>

・子犬・子猫期

成長スピードが速いこの時期は、3ヶ月〜6ヶ月ごとに健康診断を受けるのがおすすめです。発育状況や体の変化をしっかり確認しましょう。

 

・成犬・成猫期

年1回の定期健診が推奨されています。毎年の検査で健康状態を記録し、潜在的な問題を早期に発見することが大切です。

 

・シニア期

加齢に伴い疾患リスクが高まるため、6ヶ月ごとに健診を受けるのが理想的です。定期的なチェックで病気の進行を防ぎましょう。

 

<季節の変わり目に受診を推奨>

季節の変わり目は、犬や猫の体調が変化しやすい時期です。以下のタイミングで健康診断を受けるのが効果的です

 

フィラリア予防やノミ・ダニ予防が始まる時期に合わせて健康チェックを行いましょう。

 

:夏の暑さで体調を崩した後の確認や、冬に備えるための健診を受けるのがおすすめです。特に冬場は猫の下部尿路疾患が増える傾向にあるため、その前に健康状態を確認しておくと安心です。

 

<「様子見」が危険な症状やサイン>

以下の症状が見られた場合は、すぐに健康診断を受けることを推奨します:

 

・食欲不振や体重減少

・嘔吐や下痢が続く

・ぐったりして元気がない

・目や耳からの異常な分泌物

・歯茎の色が異常(白っぽい、黄色っぽいなど)

・咳や呼吸の異常

 

これらの症状を「様子見」で放置すると、病気が進行し治療が難しくなる可能性があります。

気になる症状があれば早めに獣医師に相談しましょう。

 

 

年齢別に推奨される検査項目


愛犬や愛猫の年齢やライフステージに応じて、健康診断で実施すべき検査項目は異なります。ここでは、子犬・子猫期、成犬・成猫期、シニア期に分けて、それぞれの段階で推奨される検査内容を解説します。

 

<子犬・子猫期(1歳未満)に必要な検査>

この時期は成長をサポートし、健康な土台を作るための検査が重要です。

 

・寄生虫検査

糞便検査を行い、回虫や鉤虫などの消化管内寄生虫がいないか確認します。この時期の動物は免疫機能が未発達であるため、寄生虫による健康への影響を受けやすいです。

 

・血液検査

赤血球や白血球の数値を確認し、貧血や感染症の有無を調べます。成長期の健康状態を把握するための基本的な検査です。

 

・感染症の抗体検査

ワクチン接種が適切に行われているかを確認します。不足があれば追加接種を行い、感染症への免疫を確実にします。

 

・骨格・歯の確認

骨の発育や歯の生え方に異常がないかを視診・触診でチェックします。早期に異常を発見することで、成長に伴うトラブルを予防できます。

 

<成犬・成猫期(1-7歳)に推奨される検査項目>

成長が安定し、最も活動的な時期である一方、潜在的な疾患が進行している可能性もあります。健康を維持するためには、定期的な健康診断が欠かせません。

 

・基本的な身体検査

体重測定や視診、触診で全体の健康状態を確認します。特に肥満や歯周病の兆候がないかを重点的にチェックします。肥満は心臓や関節への負担を増やし、歯周病は全身の健康に影響を与える可能性があります。

 

・血液検査

肝臓や腎臓の数値、血糖値などを確認します。この段階で異常が見つかれば、食事や生活習慣を見直すことで疾患の予防や進行の抑制が可能です。

 

・尿検査

腎臓や膀胱の健康状態を調べます。特に猫では下部尿路疾患の兆候を早期に発見することが重要です。

 

・歯科検査

成犬・成猫期は歯周病が進行しやすい時期です。口腔内のチェックを行い、必要に応じて歯石除去(スケーリング)や日常のデンタルケアについてアドバイスを行います。

 

<シニア期(8歳以上)で特に注意が必要な検査>

シニア期に入ると、老化に伴い内臓や骨、目、口腔の疾患リスクが高まります。この時期は、定期的な精密検査を受け、早期発見と適切なケアを心がけることが大切です。

 

・血液検査(詳細項目)

肝臓や腎臓の機能をチェックするほか、甲状腺ホルモンや血糖値を測定して糖尿病の有無を確認します。加齢に伴う内分泌系の変化を見逃さないために、詳細な検査が推奨されます。

 

・レントゲン検査

心臓や肺の状態を詳しく確認し、心臓病や肺炎の兆候を調べます。また、骨の状態も確認し、関節炎や骨の異常を早期に発見します。

 

・超音波検査

内臓の詳細を確認するための検査で、腫瘍や結石、炎症の有無を調べます。特に猫では腎臓や膀胱のチェックが重要で、慢性腎臓病などのリスクを早期に発見できます。

 

・眼科検査

白内障や緑内障など、加齢による目の疾患を確認します。

 

・歯科検査・スケーリング

歯周病や抜歯が必要な歯がないかを確認します。歯石除去(スケーリング)を行い、口腔内の健康を維持することは、全身の健康を支えるうえでも重要です。

 

 

健康診断の結果の見方


健康診断の検査結果は、正常値(基準値)と比較し、異常があるかを確認します。以下に代表的な検査項目とその見方をまとめました。

 

<血液検査>

赤血球数(RBC)、ヘモグロビン(Hb):高い場合は脱水や他の疾患、低い場合は貧血が考えられます。

白血球数(WBC):高い場合は感染症や炎症、低い場合は免疫系の異常の可能性があります。

肝臓酵素(ALT、AST):高い場合は肝臓に負担がかかっている可能性があります。

腎機能(BUN、クレアチニン):高い場合は腎臓の働きが低下している可能性があります。

 

<尿検査>

尿の色や濃度、タンパク質、血液の有無を確認することで、腎臓や膀胱の健康状態を把握します。

 

<レントゲン、超音波検査>

内臓の形状やサイズを詳しく調べ、腫瘍や結石の有無を確認します。

 

検査結果は獣医師が詳しく説明してくれるため、不明点や気になる点があれば、その場で質問して解消しましょう。

 

 

要経過観察となった場合の対応方法


検査結果が「要経過観察」と診断された場合、軽微な異常でも適切な対応を行うことで健康を維持できます。

 

再検査のスケジュールを守る

異常が軽度であっても、再検査が必要な場合があります。獣医師が指定した期間(数週間~数ヶ月)を守り、再検査を受けて状態の変化を確認しましょう。適切なタイミングでの再検査が、病気の早期発見や進行の防止につながります。

 

定期的なモニタリング

肝臓や腎臓の数値が基準値に近い場合でも、日常生活での観察が重要です。

食欲や元気の状態、トイレの頻度や排尿・排便の様子、行動や体調の変化など、気になる点があれば、すぐに獣医師に相談してください。

 

ストレスや環境の改善

血糖値など一部の数値は、ストレスや生活環境による影響で一時的に変動することがあります。愛犬や愛猫が安心できる静かな場所を用意し、快適に過ごせる環境を整えることが大切です。

 

 

健康診断後に見直すべき生活習慣と予防のポイント


健康診断の結果、生活習慣の見直しや予防が必要と判断された場合には、以下の対応策を参考にしてください。

 

食事管理

肝臓や腎臓に負担をかけない療法食への切り替えを検討します。また、適切なカロリーや栄養バランスを考慮し、肥満を防ぐことが大切です。

 

運動の見直し

運動不足による肥満が見られる場合は、毎日の散歩や軽い遊びを取り入れて活動量を増やします。一方で、高齢の場合は負担をかけない軽めの運動を取り入れることが推奨されます。

 

ストレスケア

静かで落ち着ける環境を整え、ストレスを軽減する工夫をします。新しい家族(他の犬や猫、人)が増えた場合は、愛犬や愛猫に配慮し、適切な距離感を保つことも重要です。

 

予防的ケア

歯周病が見られる場合は、歯磨きやデンタルケアを日常生活に取り入れます。また、寄生虫が確認された場合は、獣医師の指導のもと定期的な駆虫薬の投与を行いましょう。

 

 

まとめ


健康診断は、愛犬や愛猫の健康を守るために欠かせない重要なステップです。検査結果をしっかり確認し、獣医師と相談しながら適切に対応することで、病気の進行を防ぎ、健康な日々を維持することが可能です。

 

 

北海道札幌市の「アイリス動物医療センター」

011-876-8683

 

診療案内はこちら

WEB予約はこちら