犬の脱毛やかゆみ、それ真菌かも?|札幌の動物病院が皮膚糸状菌症を解説-アイリス動物医療センター|札幌市白石区の動物病院
NEW

犬の脱毛やかゆみ、それ真菌かも?|札幌の動物病院が皮膚糸状菌症を解説

犬の脱毛やかゆみ、それ真菌かも?|札幌の動物病院が皮膚糸状菌症を解説

愛犬の皮膚に突然、脱毛や赤みが見られると、不安になる飼い主様も多いのではないでしょうか。

特に、円形に毛が抜けていたり、かゆがっていたりする場合には、皮膚糸状菌症という病気の可能性があります。

 

札幌でも、季節の変わり目や換毛期などは皮膚のトラブルが起こりやすくなるため、注意が必要です。

 

そこで今回は、犬の皮膚糸状菌症とはどのような病気なのか、そして診断方法や治療の進め方について解説します。

 

■目次
1.皮膚糸状菌症とは?
2.皮膚糸状菌症の主な症状とは?
3.診断方法|札幌の当院で行う検査について
4.治療とご家庭でのケアについて
5.再発を防ぐために
6.まとめ

 

 

皮膚糸状菌症とは?


皮膚糸状菌症とは、「皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)」というカビの一種が皮膚に感染することで起こる病気です。

 

感染の経路はさまざまで、他の犬や猫と直接触れ合うことでうつることもあれば、真菌がついた土壌やブラシ、タオル、寝床などから感染するケースもあります。

特に、免疫力が下がっている犬や、子犬・シニア犬では症状が出やすいため、注意が必要です。

 

また、完全室内飼育の犬であっても、飼い主様の衣類や靴を通じて真菌が持ち込まれることがありますので、「外に出ていないから大丈夫」とは言い切れません。

 

 

皮膚糸状菌症の主な症状とは?


皮膚糸状菌症にかかった犬には、以下のような症状が見られることがあります。

 

円形の脱毛

輪郭がはっきりとした円形の脱毛ができ、その中央には赤みやかさぶた、フケが見られることもあります。

 

かゆみ

感染した部分にはかゆみが出るため、犬が頻繁にその部分を掻いてしまい、さらに皮膚のバリア機能が低下してしまいます。

 

<症状の出やすい部位>

顔や足先、尾の付け根、耳のまわりなどに症状が出ることが多いです。

 

こうした症状は、アレルギー性皮膚炎ともよく似ているため、見分けがつきにくいこともあります。

ただし、大きな違いとして、皮膚糸状菌症は円形で境界のはっきりした脱毛が見られるのに対し、アレルギーでは全身にかゆみが広がり、脱毛の形も不規則になる傾向があります。

 

そのため、ある程度は見た目から判断できることもありますが、症状が進行すると真菌症とアレルギーが重なったような状態になることもあり、見た目だけでは判断が難しいこともあります。

 

愛犬の皮膚に気になる変化が見られた際は、早めに動物病院を受診し、適切な検査を受けることが大切です。

 

 

診断方法|札幌の当院で行う検査について


皮膚糸状菌症は、見た目だけでは正確に診断することが難しい病気です。

そのため、当院ではいくつかの検査を組み合わせて、より確実な診断を行っています。

 

ウッド灯検査

「ウッド灯」と呼ばれる特殊な紫外線ライトを使って、皮膚や毛に光を当てる検査です。

一部の真菌はこの光に反応して黄緑色に光るため、感染の有無を確認するスクリーニングとして活用します。

 

毛の顕微鏡検査

脱毛している部分の被毛を採取し、顕微鏡で真菌が存在していないかを詳しく観察します。

症状が出始めたばかりの初期段階でも細胞レベルで確認できるため、早期発見に役立ちます。

 

培養検査

確定診断のために、毛やフケを専用の培地に置いて数日〜1週間ほど培養します。

真菌の種類を特定し、どの治療薬が効果的かを判断するためにも重要な検査です。

 

血液検査

皮膚の症状が真菌によるものか、それともホルモンバランスの乱れや自己免疫の異常など、他の病気が原因なのかを見分けるために、必要に応じて血液検査を行います。

 

 

治療とご家庭でのケアについて


犬の皮膚糸状菌症の治療は、症状の広がり方や重症度、そして年齢や体質によって異なります。

当院では、検査結果をもとに、それぞれの愛犬に合わせた最適な治療方法をご提案しています。

 

<基本となる治療|外用薬(塗り薬)>

症状が部分的な場合には、抗真菌薬の外用薬を使って患部に直接お薬を塗る治療が行われます。

 

この塗り薬はご家庭でも継続して使っていただくため、飼い主様のケアがとても大切なポイントになります。また、塗布前に患部まわりの毛を短く刈っておくと、薬の浸透がよくなり、より効果的です。

 

<症状が広い・再発がある場合|内服薬(飲み薬)>

皮膚の症状が広範囲に広がっている場合や、繰り返し発症しているケースでは、飲み薬(内服薬)を併用することもあります。

 

飲み薬は体の内側から全身に作用し、皮膚の深い部分に潜んでいる真菌にも効果を発揮します。

 

ただし、肝臓などに負担がかかることもあるため、必要に応じて血液検査を行いながら、慎重に投与量を調整していきます。

 

<補助的なケア|薬用シャンプー>

薬用シャンプーによる定期的な洗浄も、治療を助ける方法のひとつです。

 

殺菌成分を含んだシャンプーで皮膚表面の真菌を洗い流すことで、再発や感染拡大を防ぐことができます。肌への刺激が少ないタイプを選び、指示された頻度を守って使いましょう。

 

皮膚糸状菌症の治療は、短期間で完了するものではありません。

定期的な通院とご家庭での丁寧なケアを両立させることで、症状の改善と再発防止につながります

 

「気になる症状がある」「治療を始めたけど不安がある」という場合には、いつでもご相談ください。

 

 

再発を防ぐために


治ったように見えても油断は禁物

皮膚糸状菌症は、見た目の症状が落ち着いたとしても、皮膚の奥深くに真菌が残っていることがあるため、自己判断で治療をやめてしまうのはとても危険です。

通院の頻度やお薬の終了時期については、必ず獣医師の指示に従うようにしましょう

 

ご家庭での環境ケアも忘れずに

皮膚糸状菌症の原因となる真菌は犬の体だけでなく、環境にも潜んでいることがあります。

掃除機や粘着ローラーを使って床やカーペットを丁寧に掃除し、クッションやマットなどの布製品は定期的に洗濯して高温でしっかり乾燥させるとより効果的です。

 

多頭飼育のご家庭は特に注意を

特に注意していただきたいのが、多頭飼育をされているご家庭です。

 

見た目には症状が出ていない犬でも、真菌を保菌している場合があり、気づかないうちに感染が広がってしまうこともあります。

 

そのため、一緒に暮らしている他の犬の皮膚状態も、定期的に確認しましょう。

 

当院では、皮膚糸状菌症の完治を目指す通院プランのご提案はもちろん、ご家庭での環境づくりやお手入れの工夫についても、しっかりサポートさせていただいております。

 

愛犬の体質やご家庭の生活スタイルに合わせて、無理なく続けられる方法を一緒に考えてまいりますので、「これでいいのかな?」「こんな時はどうしたら?」と迷われた際には、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

まとめ


犬の皮膚トラブルはアレルギーと間違われることもありますが、実は真菌が原因の皮膚病であるケースも少なくありません。皮膚糸状菌症は他の病気と症状が似ており、正確な診断には専門的な検査が必要です。

 

「いつもと様子が違う」と感じたら、早めに受診することで悪化や再発を防ぐことができます。

 

札幌で愛犬の皮膚トラブルにお悩みの飼い主様は、ぜひ当院にご相談ください。経験豊富な獣医師が、一頭一頭に合わせた治療をご提案いたします。

 

 

■関連する記事はこちらから

愛犬の毛が抜ける理由とは?|ホルモン異常からアレルギーまで原因別に解説

 

 

北海道札幌市の「アイリス動物医療センター」

011-876-8683

 

診療案内はこちら

WEB予約はこちら