犬の皮膚病が治らないときは|長引く症状にセカンドオピニオンという選択肢-アイリス動物医療センター|札幌市白石区の動物病院
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犬の皮膚病が治らないときは?|長引く症状にセカンドオピニオンという選択肢を

犬の皮膚病が治らないときは?|長引く症状にセカンドオピニオンという選択肢を

「かゆがって夜も眠れない」「何度も治療を続けているけれど、なかなか治らない」

そんな愛犬の皮膚トラブルに、長く悩まされている飼い主様は少なくありません。

 

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなど、アレルギー性皮膚炎に分類される慢性の皮膚疾患は、原因の特定が難しく、治療にも時間がかかることが多いのが現実です。

 

そんなとき、もう一つの視点を得る方法として「セカンドオピニオン」という選択肢があります。

今の治療が合っているのか、ほかにできることはないのかを確認することで、これからの治療に対する判断材料や安心感が得られる場合もあります。

 

今回は、犬の皮膚トラブルが長引いているときに、セカンドオピニオンをどのように活用すればよいのかを、獣医師の視点からわかりやすくご紹介していきます。

 

■目次
1.セカンドオピニオンはなぜ必要?
2.セカンドオピニオンを考えるタイミングとは?
3.セカンドオピニオンの上手な活用法
4.セカンドオピニオンを受けたあとの進め方
5.まとめ

 

 

セカンドオピニオンはなぜ必要?


まずお伝えしたいのは、セカンドオピニオンを受けることは、今のかかりつけの先生を否定するものではないということです。

むしろ、「愛犬にとってより良い方法を知りたい」という、飼い主様のやさしい気持ちから生まれる前向きな選択肢です。

 

近年の獣医療では、診療分野がどんどん専門化されてきており、獣医皮膚科のように皮膚疾患に特化した専門医による診察を受けることで、これまでとは違う視点からの検査や治療の提案を受けられることもあります。

 

「他にできることはないかな?」「今の治療方針について、別の先生の意見も聞いてみたい」

そんなふうに思ったときこそ、セカンドオピニオンを検討する良いタイミングかもしれません。

 

セカンドオピニオンについてはこちらでも解説しています

 

 

セカンドオピニオンを考えるタイミングとは?


では、どんなときにセカンドオピニオンを検討すべきなのでしょうか。

目安となるのは、以下のようなケースです。

 

・数週間〜数ヶ月治療を続けても、なかなか症状が改善しない

・同じ症状を何度も繰り返してしまう

・治療法の選択肢が限られていて、他の方法が提案されない

・治療方針についての説明が少なく、納得できないまま進んでいる

・病名がはっきりせず、不安な気持ちが続いている

 

特にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー性皮膚炎は、長期的な管理が必要で、症状がぶり返しやすい傾向があります。

 

さらに、皮膚の症状が出ていても、実は内分泌疾患や自己免疫疾患など、全身性の病気が関係していることもあるため、複数の視点から診断を受けることがとても大切です。

 

犬の毛が抜ける病気についてはこちらから

 

 

セカンドオピニオンの上手な活用法


セカンドオピニオンは、愛犬の状態を多角的に見直すための大切な手段ですが、ただ受診するだけではその効果を十分に引き出すことはできません。

 

大切なのは、「何を確認したいのか」をはっきりさせておくこと(目的の明確化)、そして

「必要な情報をきちんと準備すること」です。

 

セカンドオピニオンの目的をはっきりさせる

「今の診断が正しいか確認したい」「他に治療の選択肢はあるのか知りたい」など、自分が何を知りたいのかを整理しておきましょう

目的が明確になることで、獣医師からの説明もより的確なものになり、納得のいくアドバイスが受けやすくなります。

 

これまでの治療記録を持参する

診断や治療方針を的確に判断してもらうためには、これまでの経過がわかる資料の持参がとても重要です。

たとえば以下のような情報が役立ちます。

 

・血液検査・皮膚検査などの検査結果

・今まで使用した薬やシャンプーの名前

・診断名や治療内容を記録したメモ

 

かかりつけの病院に診療情報の提供をお願いするのは、少し気が引けると感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、セカンドオピニオンは動物医療の一環として行われるものであり、多くの獣医師がその必要性をきちんと理解しています。

 

写真や動画で日々の様子を記録する

皮膚疾患は、症状が日によって変化しやすいことがあります。診察当日に症状が落ち着いていても、日々の様子をスマートフォンなどで記録しておくことで、より正確な診断につながります

発疹の位置や広がり方、かゆがり方や皮膚を気にする仕草、症状が出始めた日や悪化したタイミングなどを時系列で記録するとよいでしょう。

 

質問リストを事前に作っておく

限られた診察時間の中で、聞きたいことをうまく伝えるために、事前に質問をメモしておくのがおすすめです。

たとえば、以下のような質問が参考になります。

 

・他に考えられる原因はありますか?

・今後の治療の選択肢にはどんなものがありますか?

・長期的にはどう付き合っていけばよいでしょうか?

 

率直な疑問を遠慮せずに聞くことが、納得のいく診療につながります。

 

 

セカンドオピニオンを受けたあとの進め方


セカンドオピニオンを受けたあと、どの治療を選ぶべきか悩まれる飼い主様も少なくありません。そんなときに大切なのは、「自分が一番納得できる選択肢」を選ぶことです。

 

もし診断や治療方針が異なっていたとしても、どちらかが正しくて、もう一方が間違っているというわけではありません。

犬の皮膚病は非常に複雑なケースが多く、さまざまな角度からの見方ができるからこそ、複数の意見を比較することに意味があります。

 

セカンドオピニオンの意見に信頼感を持てたのであれば、その病院で治療を続けていくという選択もありますし、現在のかかりつけ医にフィードバックとして伝え、一緒に治療方針を見直していくという方法も十分に可能です。

 

また、専門医の意見を取り入れることで、かかりつけ病院との連携がより深まり、診療がスムーズになるケースもあります。

 

特にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー性皮膚炎では、完治を目指すというよりは「うまく付き合っていく」ことが重要になることが多いです。

その過程で、「今の治療が本当に合っているのか」と悩むことが出てくるのは、飼い主様として自然なことです。

 

だからこそ、私たちはセカンドオピニオンを「迷い」ではなく、「愛犬のためを思っての前向きな行動」だと考えています。

少しでも不安や疑問があるときは、どうぞご相談ください。

 

 

まとめ


愛犬の皮膚トラブルがなかなか良くならず、治療が長引いているときには、セカンドオピニオンという選択肢が飼い主様の支えとなることがあります。

 

不安や疑問を抱えたままにせず、別の視点からアドバイスを受けることで、新たな気づきや治療の道が見つかることもあります。

 

セカンドオピニオンを受ける際は、これまでの検査結果や治療の経過がわかる資料をそろえること、そして「何を知りたいのか」を事前に整理しておくことが大切です。

 

皮膚トラブルについてお悩みのことがあれば、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

飼い主様と愛犬の気持ちに寄り添いながら、一緒に最善の方法を考えてまいります。

 

 

北海道札幌市の「アイリス動物医療センター」

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