犬・猫の歯石除去(スケーリング)で健康寿命を守る┃札幌の動物病院での専門ケア
「最近、口が臭う気がする」「歯が黄色くなってきた」そんな変化を感じたことはありませんか。
犬や猫の口臭や歯石は、単なる“におい”や“見た目”の問題ではなく、放置すると歯周病や内臓疾患にまでつながる深刻なサインです。
特に犬は人間よりも歯石が付きやすい動物です。人では歯石ができるまでに数週間かかりますが、犬は数日で歯垢が硬い歯石に変わってしまいます。猫も加齢やフードの種類、体質によって歯石がつきやすく、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
そこで今回は、歯石が与える影響と、当院で行うスケーリング(歯石除去)の重要性について紹介します。
■目次
1.犬・猫に多い歯石・歯周病の問題
2.スケーリング(歯石除去)とは?
3.無麻酔スケーリングとの違いとリスク
4.「うちの子にも麻酔は必要?」という疑問に答えます
5.ホームケアとプロケアの使い分け
6.まとめ
犬・猫に多い歯石・歯周病の問題
〈歯石ができるまでの流れ〉
食事をすると、歯の表面には食べかすや細菌が付着して「歯垢」ができます。歯垢はネバネバと柔らかいため、毎日の歯磨きで落とすことが可能です。しかし、歯垢をそのままにしておくと数日で唾液中のカルシウムなどと結合し、硬い「歯石」となって歯に強くこびりつきます。
一度歯石になると、家庭での歯磨きでは落とすことができません。そのため、動物病院でのスケーリング(歯石除去)が必要になります。
〈歯石によるトラブル〉
歯石の表面はザラザラしており、そこにさらに細菌や食べかすが付着しやすくなります。すると歯肉に炎症が起こり「歯肉炎」へ進行し、放置すると歯を支える骨を破壊してしまう「歯周病」へと悪化します。
歯周病が進行すると歯がぐらつき、最悪の場合は抜歯が必要になります。また、口の中で増えた細菌が血液を通じて全身に回り、心臓病や腎臓病など重大な臓器疾患の原因となることもあります。
〈こんな症状は要注意〉
・口臭が強い
・歯が黄色〜茶色くなっている
・よだれが増えた
・歯ぐきが赤い、腫れている
・食べにくそう、硬いフードを嫌がる
これらは歯石や歯周病のサインかもしれません。「まだ大丈夫」ではなく「今がケアのタイミング」 と考えて行動することが大切です。
スケーリング(歯石除去)とは?
スケーリングとは、専用の機械(超音波スケーラーなど)を使って歯石を取り除く処置のことです。
動物病院で行うスケーリングは、以下のような流れで進みます。
1. 診察と事前検査
まず全身の健康状態を確認するため、血液検査や心臓のチェックを行います。これにより麻酔が安全にかけられるかを判断します。
2. 麻酔下での処置開始
犬や猫はじっと口を開けていられないため、麻酔をかけて眠っている間に処置を行います。これにより、痛みやストレスを感じず、安全に隅々まで歯石を除去できます。
3. 歯石の除去と歯周ポケットの清掃
超音波スケーラーを使って、歯の表面や裏側にこびりついた歯石を取り除きます。その後、歯ぐきの奥(歯周ポケット)に残っている歯石や細菌もしっかりと清掃します。
4. 仕上げの研磨(ポリッシング)
歯の表面を磨き上げ、ツルツルに仕上げます。これにより新たな歯垢や歯石が付きにくくなり、清潔な状態を保ちやすくなります。
5. 覚醒と帰宅
処置が終わると麻酔から覚まし、体調を確認して問題がなければその日のうちに帰宅できます。
毎日のホームケア(歯磨きやデンタルガム)も大切ですが、すでに歯石になってしまったものは家庭では落とせません。スケーリングはホームケアを補う“プロのケア”として定期的に行うことが推奨されます。
無麻酔スケーリングとの違いとリスク
「無麻酔スケーリング」という言葉を耳にされたことがある飼い主様もいるかもしれません。確かに見た目は一時的にきれいになりますが、実際には歯肉の奥にある歯石や細菌までは取り除けません。
その結果、見た目は改善しても病気の進行は止まらず、むしろ気づかないうちに悪化してしまう危険性があります。
さらに、無麻酔で行う場合は犬や猫を押さえつける必要があり、大きなストレスを与えることになります。処置中に暴れて口腔内を傷つけたり、器具を誤って飲み込んでしまう危険性もあります。
そのため、安全で効果的に歯石を除去するには麻酔下でのスケーリングが不可欠 です。
「うちの子にも麻酔は必要?」という疑問に答えます
麻酔と聞くと不安に感じる飼い主様は多いと思います。
しかし、スケーリングを安全に行うには麻酔が欠かせません。麻酔下であれば犬や猫は痛みやストレスを感じず、動かない状態で歯の隅々までしっかり処置できます。
当院では、麻酔のリスクを最小限にするために必ず事前検査を行います。血液検査や心臓のチェックで全身状態を把握し、麻酔に耐えられるかどうかを確認します。また、処置中は麻酔科の専門知識を持つ獣医師がモニタリングを行い、安全に配慮しています。
「うちの子は高齢だから麻酔は心配」という声もよく聞きますが、実際には高齢だからこそ歯石除去が必要なケースも多いのです。歯周病で食欲が落ちていた子がスケーリング後に元気に食べられるようになることもあります。全身状態を丁寧に評価すれば、高齢の犬や猫でも安全に麻酔下で処置を行える場合は多いのです。
ホームケアとプロケアの使い分け
犬や猫の歯の健康を守るには、日常のホームケアと定期的なプロケアを組み合わせることが大切です。
ホームケアの基本は、やはり毎日の歯磨きです。子犬や子猫のうちから慣らしておくと、成長してからも抵抗なく行いやすくなります。どうしても歯ブラシを嫌がる場合は、デンタルガム・デンタルジェル・飲み水に混ぜるタイプのサプリなどを補助的に活用するのも良いでしょう。ただし、これらはあくまでサポートであり、歯石の完全な予防にはつながりません。
一方で、歯石はホームケアだけでは防ぎきれないため、病院でのスケーリングが必要です。一般的には年1回が目安ですが、犬種や体質によっては半年ごとのケアが望ましい場合もあります。
「日常のホームケアで守り、プロのケアでリセットする」この両立こそが、犬や猫の歯の健康寿命を延ばす秘訣です。
まとめ
犬や猫の口臭や歯石は「年齢のせい」「仕方がない」と思われがちですが、実際には病気のサインであることが多く、放置すると歯周病や全身の健康トラブルにつながることもあります。
「最近、口が臭う気がする」「歯が黄ばんできた」と感じたら、早めの受診をおすすめします。
当院ではスケーリングによる処置はもちろん、「歯磨きが苦手」「なかなか続けられない」といったお悩みにも対応し、ご家庭でできるケアのコツを丁寧にお伝えしています。気になることがあればお気軽にご相談ください。
北海道札幌市の「アイリス動物医療センター」
011-876-8683