症例紹介
-
上顎骨腫瘍|ラブラドール
9歳 去勢オスのラブラドールの症例です。
数ヶ月前よりあった口腔内の腫瘍が急速増大してきたとのことで、来院されました。CT検査では、右上顎第2-4前臼歯の頬側から発生しており、骨あるいは歯根由来の腫瘍を疑い、リンパ節や肺への転移病巣が認められないことから、手術での腫瘍の摘出を行うこととしました。
骨より発生している腫瘍のため、口腔粘膜を切開し、上顎骨ごと摘出しなければなりません。
腫瘤からマージンを確保して摘出するために、ラウンドバーを用いて眼窩下孔を切開し上顎動脈を結紮、切離しました。
その後、ラウンドバーやサジタルソー、骨ノミなどを用いて上顎骨中央部の切除を実施しました。
病理検査結果は骨の多分葉状腫瘍(Multilobular tumor bone)で骨の断端や軟部組織のマージンに腫瘍性病変は認められませんでした。
担当獣医加藤 和貴
術直後から自力採食可能で、食べこぼしや術部の離開などもなく、術後2ヶ月経った段階で、良好に経過しております。