ここ最近子宮の病気が続いたのでこのお話しをしようかと思います。
タイトルに不妊手術とありますが、
不妊手術とは子宮や卵巣を摘出したり、睾丸を摘出する手術の総称です。
なぜ獣医師が不妊手術を勧めるかというと、
「病気の予防」の観点から重要だからです。
女の子であれば子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、
男の子であれば前立腺肥大や会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫などが一般的でしょう。
猫ちゃんであればやはり子宮蓄膿症、男の子はスプレー行動の防止にもつながりますね。
特に子宮蓄膿症は内科療法はあまり期待できないので外科治療がメインになります。
ですが、前回のブログでご紹介したASA分類でのリスクが高くなりますので、
麻酔のリスクが高い状況で手術をしなければなりません。
子宮蓄膿症は命にかかわりますし、前立腺肥大は突然の血尿、
会陰ヘルニアは排便が困難になってしまい生活の質を著しく下げることになってしまいます。
余談ではありますが、最近わんちゃんの停留精巣をよく見かけます。
通常であれば睾丸が陰嚢に下降してくる時期であるにも関わらず、
それが腹腔内や皮下に残ったままの状況です。
特に腹腔内に精巣が残っている場合は
それが腫瘍になるリスクが非常に高い状態といえますので外科的な処置を検討します。
いかがでしたでしょうか。
重要なことですので、今回のブログでもお話しいたしますが、
高齢であることが麻酔をかけられないわけではありません。
ですので、まだ不妊手術をされてなくて上記の事に関心をお持ちであれば
一度獣医師に確認することをおすすめいたします。