今回は混合ワクチンについてお話ししたいと思います。
混合ワクチンで予防できる疾患の多くはウィルス性の疾患です。
ウィルス性疾患は有効な治療法がない場合がほとんどで、
罹患すると対症療法しかできず、死亡率が高い疾患も多く存在します。
運良く回復した場合でも、生涯ウィルスを排泄し続けてしまうようになってしまったり、
後遺症が残るケースも珍しくはありません。
ですので、これらの疾患を予防することが非常に大切なのです。
残念ながら日本の混合ワクチンの接種率はあまり高くはありません。
ですので不特定多数のわんちゃんや猫ちゃんが集まる場所は
感染の温床になっていることもしばしばあります。
そのような場所に我々飼い主が行った場合にウィルスを連れ帰ってしまい
感染する場合も多くあるのです。
本来ならば接種率が高ければ、高齢のわんちゃんや猫ちゃんが
疾患によってワクチン接種が難しい場合も、
周りの環境として免疫が確立されるので安心して生活ができるのですが、
残念ながらその環境は限られてしまいます。
ワクチン接種を受けるということは、
自分自身を守ると同時にそういったワクチンを受けられない動物たちを守ることにも繋がります。
もし、過去にワクチン接種でアレルギーが認められた場合も、
接種前に投薬をすることでアレルギーが防げるケースも多くありますので、
接種前には必ずワクチンの際に具合が悪くなったことがある旨を獣医師に申告しましょう。
外に出ないからといってその危険性は全くないわけではありません。
愛犬、愛猫のためにも、そして周囲のワクチンが接種できない子たちのためにも
ワクチン接種がもっと受けられることを願います。