「 去年も薬を飲んでいるのにフィラリア検査は必要ですか?」とよく質問される事がありますが
私はこの問いに対して「必要です。」と答えています。
と、いうのも大きな理由としてはフィラリアの薬は薬事法の要指示薬品に分類されます。
要指示とは即ち決められた手順を踏まないと処方することができないことがあるということで、
実はこれに違反すると薬事法により出した方、出された方、双方に罰金が課せられる場合があります。
あるお薬の添付文書に記載されている制限事項をそのまま書きだします。
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制限事項
①本剤の投与前には健康状態について検査し、異常のある犬には投与しないこと。
②本剤の投与前には犬糸状虫の有無を集虫法、抗原検査法等により検査し、犬糸状虫感染犬に投与する場合は、
成虫及びミクロフィラリアを駆除するなど適切な処置を行い、慎重に投与すること。
③本剤は離乳前の子犬には投与しないこと。
④コリー犬及びその系統の犬種に対し、イベルメクチンが神経毒性を示すおそれがある
という報告があることから、コリー犬及びその系統の犬種に投与する際は慎重投与すること 。
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さらに、フィラリア成虫に感染していた場合に薬を服用させるとどうなるか。
成虫は血液中、特に心臓の右心房に寄生します。
これがお薬の効果で駆虫すると駆虫した虫体はそのまま肺動脈に詰まったり、
腎炎、肺炎、アレルギーなどいずれも致死的な副作用を起こします。
検査をせずにお薬を飲ませるリスクと検査をしてお薬を飲ませるリスク
これらを天秤にかけたときにどちらがわんちゃんの命、法律的に安心かは一目瞭然かと思います。
予防は安心・安全だからこそ成立するものと私は考えます。
そのためにも、これからも正しい情報を配信してまいりますので、よろしくお願いいたします。
アイリス犬猫病院